激しい雨風による経年変化に耐え暮らしと健康を守る大切な役割を担うとともに、強固な美しさの持続を実現するため、瓦葺きに使用される瓦には多くの性能が求められます。
年間降雨量約1,500~2,000ミリの日本では、屋根材の防水性能が大きなポイントになります。
いぶし瓦の表面を覆う炭素膜が水をはじき、瓦自体の吸水率も低く(5%~7%程度)透水による漏水が起こりにくいのです。
弊社では特許取得の止水性能の高い瓦を使用することで、より以上の耐水性能を発揮しています。
瓦は不燃材であり耐火材です。
1,000℃以上で焼成された瓦は耐火性能に優れ、火災時にも暴発・ひび割れ・変形・溶解を起こさず有毒ガスも発生しません。
火災による屋根からの類焼の防止は、焼成された瓦だから出来ることです。
建築物の構造が規準を満たし、改良された耐震工法で施工された瓦屋根は激震にも耐えうるものです。
弊社では特殊工法に改良を施して採用し、耐震性能の更なる追及により何処よりも地震に強い瓦屋根の提案・提供をしております。
日本瓦は高温で焼成され、アールの違う曲線の組み合わせで三次元形成されています。
そのため耐圧性能に優れ、局部的な荷重や積雪による重さにも十分に対応する強度を兼ね備えています。
瓦に浸透した水分の氷結による体積膨張で、瓦の亀裂・剥離といった現象が寒冷地方や冬季に寒暖差が大きい地方で起こりました。
現在は給水率の低下や強度及び性能の向上により諸問題は解決され、日本全国で瓦が使用されるようになりました。
日本瓦は瓦の持つ形状が野地との間に空間を設け、その間を空気が流れる道が生まれます。
暖められた空気により上昇気流が発生します。
湿度を含んだ暖かい空気は空間の中を屋根勾配に沿って上昇し、換気システムより自然換気され屋根の湿度・温度を調整していきます。
弊社の瓦葺き・桟瓦葺き工事では、通気性能のより以上の成果を上げる工法を導入することにより、屋根小屋裏換気・屋根野地換気を一段とグレードアップできます。
屋根に葺かれる瓦は、酸性雨やアルカリなど人為的・科学的要因の環境汚染や、日本特有の高温多湿な厳しい自然環境に耐え続けなければなりません。
実験でもいぶし瓦は退色・変色もほとんど無く高い信頼を得ています。
使用材料や工法により100年対応を目指し施工することが出来る瓦葺き屋根は、竣工後のメンテナンスを通じ、竣工当時の美しい姿を次代に継承出来る唯一の屋根材です。
長い目で見ていただけば、何よりも経済的な屋根材であると言えるでしょう。
いぶし瓦は自然素材の粘土から作り上げた屋根材です。
古瓦をリサイクルし再使用することや建物内に使用すること、また産廃として扱うにも自然素材の為、自然回帰することが出来ます。
いぶし瓦は環境に優しい屋根材であることに間違いありません。
“いぶし銀”と呼ばれるいぶし瓦の色合いは、経年変化によりいぶし瓦特有の色彩変化を見せます。
その色彩変化ときちんとした瓦工事が、時間と共に建物の“美”として歩み続けていきます。
1,400年続いている瓦・瓦葺きの歴史をこれからも寺院の屋根を特有の美しさを保ち続けながら守り続けます。